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12 冷めた家庭

مؤلف: 槇瀬陽翔
last update تاريخ النشر: 2025-08-17 19:54:38
朝、いつものように携帯のアラームで目を覚ました俺はため息をついた。

昨夜、泣いたせいで瞼が重い。それでも学校へ行かなければ彼が気にするだろう。

俺はノソノソと起き上がりクローゼットの中から制服を取り出し着替え始める。

「あーあ、結構くっくりついてら」

シャツのボタンを留めながら呟く。昨夜、金狼さんが付けたキスマークが身体中に散らばってる。暫くは消えないだろう。

まぁいいけどさ。当分、誰ともする気はないし、気にする奴なんていないから大丈夫。

俺は必要なものをポケットにしまいこみ、ブレザーに袖を通しカバンを持って家を出た。

いつもと同じ日常が始まる。

何も変わらない日常。

だったはずなのに…

「…ぃ…き…蒼樹つってんだろ!」

そんな翔太の怒鳴り声で我に返った。

「えっ? なに?」

教室内がヤケにざわつき、教師が俺の傍まで来ていた。俺は意味が分からなくて聞き返した。

「お前、事業中に自殺未遂はないだろう」

教師はそんなこと言いながら俺の手からカッターを取り上げて、血で染まった右手首をハンカチで縛り止血をする。言われて初めて手首の痛みと机の上が真っ赤に染まっているのに気が
槇瀬陽翔

2026/01/21…今更ながら誤字脱字等の修正をしました。

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  • 蒼い華が咲く   111

    次の日、俺たちが起きたのはお昼前だった。シャワーを浴びて俺の部屋に移動してベッドの上でダラダラしてるんだけど… 実はさっきから拓ちゃんが俺の髪の毛弄ったり首筋にキスしたりしてくすぐったくてしょうがない。 あ…俺ベッドの上で拓ちゃんに後ろから抱き締められてます。 「ん~…拓ちゃんくすぐったいって」 そう抗議してみてもやめてくれる気配はない。もしかして甘えてる?「ねぇ…拓ちゃん、学校休んでよかったの?」 俺はもう一つの疑問を口にしてみる。 「ん? …あぁ。今日と明日は欠席扱いだ」 拓ちゃんはそう言って俺の肩に頭を乗せる。ほえ?「それって俺も? てかなんで?」 拓ちゃんの行動にも疑問があるが…。 「あぁ。ちょっと用事があって…本当は連れて行きたくないけど…」 なんていいながらガブって肩を噛んでくる。 「ちょ…拓ちゃん? さっきから何? もしかして甘えてるの?」 俺は拓ちゃんの髪に触れ聞いてみる。 「いいだろ? …今回の件…俺もかなりショックだったから…甘えたいんだよ」 拓ちゃんはそう言ってギュウって抱き締めてくる。あぁ。やっぱりそうだったんだ。「ごめんね?」 俺は拓ちゃんの頭を撫でて言う。 「お前からのごめんは聞かないって言ったろ? いいんだよ。どうせお前の所にも行くと思ってたし…」 拓ちゃんはそう言って顔を上げ俺にキスをしてくる。 「…ん…」 触れるだけのキスだけどやっぱり拓ちゃんとのキスは気持ちがいい。 「今日は何処行くの?」 俺は拓ちゃんの手を握り締め聞いてみる。 「俺の実家。姉貴が煩い。後この間行った定食屋の女将さん真帆さんていうんだけど真帆さんにお前の事お袋にリークされた。連れてこいって煩い」 拓ちゃんは俺の指に指を絡め言ってくる。 「うえぇぇ~! マジですか?」 俺はその言葉に驚いた。拓ちゃんは俺を抱き締めたまま横に倒れ 「マジ。大マジ。夕方から行くからな。別に普通にしてればいいから」 そんなことを言ってくる。 「えぇ~ちょっとまった…俺が行ってもいいの?」 俺は身体の向きを変えながら聞いてみる。 「いやお前が行かないと俺が困るんだけど…」 拓ちゃんは苦笑を浮かべ言う。 「あ…そっか…判った…いいよ」 俺が呼ばれてるんだから行かなきゃだめか…。初めてだよな人の家に行くのなんて…

  • 蒼い華が咲く   110

    俺は家に帰ると着替えて買出しに出かけた。 いつものようにATMで必要な金額を下ろしそのままスーパーへ… 適当に買い物を済ませ家に戻った。買ってきたものを冷蔵庫にしまい終えた頃 チャイムが鳴った。 「はい?」 そう声を掛けると 「宅配です。印鑑お願いします」 そういわれ俺は扉を開ける。母から届くいつもの荷物だった。 印鑑を押しそれを受け取った。箱を開ければいつもの様にタバコとビール。 それをいつもの場所に片付けた。そして二階に戻ると吉田の出した課題をカバンから取り出しやり始めた。すべての課題をやり終えシャーペンを置き俺は背伸びをする。 「ん~! 終わった~!」 さすがに大量だったなぁ~。コンコン俺が背伸びした途端扉がノックされて後ろを振り返れば拓ちゃんがいた。 「拓ちゃん来てたの?」 それには俺も驚いた。「あぁ。生徒会が終わってそのままこっちに直行した。そしたら凄い集中してやってるから声かけずに勝手に風呂借りた」 俺の傍に来て言う。ボディソープの香りが鼻をかすめる。 「声かけてもよかったのに」 俺はそういう。 「さすがだな。この量を1日で終わらせるなんて。伊達に毎回A組トップの地位をキープしてるわけじゃないな。晩飯食べてないんだろ? 何か作るか?」 拓ちゃんは課題のプリントを見ながら言う。 「ん~。あんまり食欲ないよ俺」 俺は素直に答える。本当に食欲がないんだ。 「軽く食べるもん作ってやるから風呂入ってこい」 拓ちゃんがそう言ってくれるから 「うん。そうする」 俺は着替えをクローゼットの中から取り出す。 そして俺たちは部屋を出た。俺は風呂から上がりキッチンに向かう。キッチンに入ると拓ちゃんが 「野菜たっぷりスープ。これぐらいなら食べられるだろ?」 そう言ってテーブルの上に皿を置く。 俺は椅子に座り 「うん。多分、大丈夫。いただきます」 俺はそう言って食べ始めた。「ん~、んま~い。何で拓ちゃんの料理はこんなに美味しいの~!」 俺はそう声をあげた。本当になんでこの人の作る料理は美味しいんだろうね。 「愛情たっぷりだから」 なんて拓ちゃんからそんな言葉が返ってくる。 予想外の返事に俺は真っ赤になった。「そこで照れるか? 本当のことだぞ? もっとも、お前限定だけどな」 拓ちゃんはリビ

  • 蒼い華が咲く   109

    学園の前でバスを降り溜め息をつく。いつもの行為。 偽りの織田蒼樹を演じるための行為。「行くか?」 翔太の声に俺は 「う~い」 そう返事をして歩き出す。「あ~蒼樹~だぁ~!」 「織田ぁ~逢いたかったぁ~!」 教室に入るなりみんなからの抱擁。「あ~はいはい。ありがとねぇ」 俺はそれを軽くあしらって自分の席に着く。 「そういえばそれ…。金城が頭になったときに着けてた奴だろ?」 急に翔ちゃんが言う。この人、記憶力いいのよね。意外と… 「ん。前に同じものくれたんだけどさ。自分で着けた方くれたんだよね。大事なもんじゃないのかな?」 俺はそう答える。 「大事だから送ったんじゃねぇの? まぁ仲直りしてよかったというとこかな」 翔太はそう言って俺の頭を撫でる。 「ん。心配掛けてごめん。ありがと」 俺はそう答える。「織田。ちょっといいか?」 急に呼ばれドアの所を見れば拓ちゃん。 「はいは~い。何でしょ?」 俺は拓ちゃんの所に行き聞いてみる。 「臨時要員の仕事。悪いけど放課後までに体育祭のプリント集めてくれないか?」 拓ちゃんはそういう。 「あ~い。了解しました会長」 俺はふざけてそういう。 「馬鹿。頼んだぞ」 軽く俺の頭を叩き教室を出て行った。俺は拓ちゃんに頼まれたとおり 各放課になるとそれぞれのクラスに行って周り「体育祭の実行委員いる? プリント欲しいんだけど?」 俺はそう声を掛ければ 「は~い」 返事をして実行委員の子がプリントを持ってきてくれる。 「ありがとねぇ」 俺はそう告げると次のクラスへと向かっていった。「織田。ちょっといいか?」 全部のクラスを回り終えたとき吉田に声を掛けられた。 「何でしょうか?」 俺はそう聞いてみる。「金城から聞いたが体調はもういいのか?」 そう言われる。 「え? …あ…大丈夫ですよ。だから来たんだけど?」 俺はそう答える。ずっと拓ちゃんが病欠扱いにしてくれてたんだ… 「まだ治らないのか?」 そう聞いてくる。 「治らないんじゃない? もう無理なんじゃない?」 俺はそう答える。多分、無理だろうね…。 「そうか…。あぁ。後で職員室に来い。休んでた分の課題を渡すから」 吉田はそう言って戻っていった。課題か…。めんどくさ…。 でもまぁ自業自得だよな。ずっと

  • 蒼い華が咲く   108

    pipipipipipipi 携帯のアラームで目を醒ます。 そこにはやっぱり拓ちゃんの姿はなかった。あれは夢だったのかな?あれは幻だったのかな? 俺はぼーっとする頭のままで下におりていくと キッチンからおいしそうな香りが漂ってきた。急いでキッチンに飛び込んだ。 そこには拓ちゃんがご飯を作っている姿があった。「拓ちゃんおはよ」 俺はそう声を掛ける。 「あぁ。おはよう。もう出来るぞ」 拓ちゃんはそう言って皿に盛り付けている。今日のメニューは野菜炒め。 だって最近、買い出しに行ってないんだもん。 学校サボって引きこもりになってたしさ。本当に外出もしてない。「お前それ全部、食べろよ? 冷蔵庫の中身まともなもん入ってなかったぞ」 なんてやっぱり拓ちゃんに怒られた。 「は~い」 俺は大人しく椅子に座る。 確かにここ最近まともに食べてない。 薬も飲んでない。バレたら怒られるよね。「いただきま~す」 俺はそう言って食べ始めた。勿論、拓ちゃんもね。そしてお決まりどおり片づけまでやってくれました。「今日は学校出てこいよ?」 一度、制服に着替えるために帰る拓ちゃんが言う。 やっぱりサボってたのばれてるのね。 「うぃ」 俺は頷く。拓ちゃんは俺を引き寄せるとそっとキスをして 「学校でな」 そうれだけ言って帰っていった。「ったく。不意打ちすぎ」 なんて言いながらも浮かれてる俺。自分の部屋に戻り制服に着替える。チャリって音がする。首に着けたままになってる拓真からのプレゼント。俺はそれを見てふと気付いた。 「これ俺のじゃない。いつの間に変えたんだろ?」 それは新しかったあのペンダントではなく拓ちゃんがずっと着けていた方のペンダント。 「忍者みたいだよ拓ちゃん。ただ単に俺が気付かないだけか」 俺はそう呟きシャツのボタンをいつもの場所まで嵌めてネクタイをつける。 いつものだらしない格好。 これでA組だって言うんだから最悪だよな。わかっててもちゃんと着ないけどさ。 メガネメガネ~。拓ちゃんの着けてたメガネ。 それを嵌めて変身完了!偽りの織田蒼樹の完成!「さぁ~。今日は説教でも聞きますかね」 多分、吉田からの説教が待ってるだろうな。 1週間もサボったもんな。俺は必要なものをポケットに押し込みカバンを持って部

  • 蒼い華が咲く   107

    「GoldWolfの前の頭の人は今どうしてるの?」 俺はふとそんなことを聞く。 「白血病なんだ。ドナーを待ってる。俺の実家が大学病院だからそこで入院中」 うえぇ~! 「拓ちゃんの家って大学病院なの?」 すご…。 「GoldWolfのことを黙ってたのは悪かった。だけど俺はお前が蒼華だから好きなわけじゃない。織田蒼樹だから好きなんだ」 拓ちゃんがそういう。そっか…そうなんだ…「ねぇ…拓ちゃん…気付いてる?」 俺は聞いてみる。 「何をだ?」 拓ちゃんは聞き返してくる。 「誰にも媚を売らない蒼華が唯一媚を売るのが誰か? 二度と同じ相手には抱かれない蒼華が何度も同じ人に抱かれてるのか?」 俺はそう聞いてみる。 「俺のことなのか?」 拓ちゃんが躊躇いがちに聞き返してくる。 「そう。俺さ…あなたの前じゃ蒼華じゃいられない。だって…俺…あなたの愛が欲しいんだ。本当の俺を…闇の蒼樹を愛して欲しいんだ…」 俺はそう答える。無言のまま拓ちゃんがジッと俺を見詰めてる。 「なら問題ない。俺は織田蒼樹が好きだから…俺の愛をお前にやるよ。これからもずっと…」 拓ちゃんはそう言って笑ってくれる。 願い叶っちゃった。でも…俺… 「今のままでいんじゃないのか? お前が納得できるまでさ」 まるで俺の心を見透かしたように拓ちゃんがいう。ホント、翔太並みにわかって来てるよねこの人。 「うん。ありがと。でも…あなたが好き…愛してるのは本当。俺…いつかちゃんとあなたの前で本当の俺を見せたい。本当の俺をちゃんと知って欲しい」 俺はそう告げる。拓ちゃんが俺の頭を撫でて 「待ってる。お前が自分で俺に教えてくれるのを待ってる」 優しく言ってくれる。 「…ねぇ…キスして…拓ちゃんのキス好きだから…」 俺はそうお願いしてみた。拓ちゃんは小さく笑い俺の頬に手を添えそっと唇を重ねてくる。 触れるだけのキス。「…好き…」 唇が触れそうな距離で呟いた。 さよならなんて…おしまいになんてできっこない。「俺も蒼樹が好きだ」 拓ちゃんはそう言って俺をそっと抱き締める。 俺は拓ちゃんの背に腕を回した。「あ~悪いんだけど今度一緒に実家に来てくれないか?」 拓ちゃんが突然そういう。 「ほえ? 何で?」 俺は拓ちゃんの肩に頭を乗せ聞いてみる。 「姉貴がお前のこと

  • 蒼い華が咲く   106

    「どうして? …あの人は?」 俺はボケッとしながら拓ちゃんを見る。拓ちゃんは、 「中でゆっくり話さないか?」 冷静に聞いてくる。俺は小さく頷いた。「何か飲む?」 リビングのソファに座った拓ちゃんに聞いてみる。 「いいからこっちに来いよ。全部お前に話すから」 拓ちゃんが言うから俺は大人しくそれに従った。 拓ちゃんは俺の手を掴むと自分の隣に座らせた。「あ…あの女の人は…よかったの?」 今更だけど…つい聞いてしまう。「あぁ、いいんだ。俺の姉貴だから」 拓ちゃんのお姉さん… 「えぇ? お姉さんいたの?」 つい驚いてしまう。 「あぁ、上に姉貴が二人と兄貴が一人な」 拓ちゃんがそう説明をしてくれる。そうなんだ… 暫くの沈黙…「GoldWolfの事は苗代に聞いたのか?」 静かに拓ちゃんが聞いてくる。 「翔ちゃんもだけど…チームの人に拓真が戻るように頼んでくれって…それで初めて知った」 俺は床を見て答える。 「そうか、あいつらお前の所までいったのか…」 拓ちゃんの呆れたような声。 「戻らないの?」 聞いてみる。 「あぁ、戻らない。戻る気はない」 ハッキリと言い切った。「なんでGoldWolfを辞めたの?」 俺は聞いてみる。 「俺がGoldWolfにいたのは高1までなんだ。頭をやってたのも3年だけ。初めは三嶋さんって人がやってたんだけど、病気で入院することになったから俺に頼んできて断れなくてなったんだ」 拓ちゃんがいう。あれ? 「翔太と変わらない? もしかして翔太とは面識あり?」 俺は聞いてみる。拓ちゃんは苦笑を浮かべながら頷く。ノ――――!そんな繋がりがあったのか! あいつ知ってて俺に話さなかったな!「三嶋さんが頭のときから内部で対立が起きててな。争いを好む者と好まない者と…俺は普通に走っていられれば良かったんだ…」 拓ちゃんは小さく息を吐く。 「ねぇ…もしかして…雅たち三人もメンバー?」 俺は聞いてみる。拓ちゃんは静かに頷く。あぁ、だからあんなに親しいし、お互いのことがよくわかるんだ…「俺が頭になった頃から対立がますますひどくなってな、情けないけど荒れまくった。誰彼かまわず喧嘩を吹っ掛けてたんだ。雅たちはそんな俺のこと気にしてて…ただ走ることができないんだったらやめちまおうって他の奴に頭を押し付

  • 蒼い華が咲く   77

    二人で並んで帰る道。「拓ちゃんは家に帰らなくても大丈夫なの?」 なんて聞いてみた。ずっと気になってたから…。俺の家には泊まったりするけど、俺は拓ちゃんの家を知らないもん。家庭の事情とか聞かないし… 「俺?俺は高校入学と同時に一人暮らしをしてる。実家から呼び出しがない限りは大丈夫だ」 拓ちゃんはちゃんと教えてくれる。俺の知らない拓ちゃん。 「そうなんだ。なら大丈夫だね」もう少しだけ、この人と一緒にいさせて…二人だけで…このままいさせて…「着いた。重かったでしょ?」 俺は家の鍵を開けて訊いてみる。 「いや、これぐらい大丈夫だ」 拓ちゃんは靴を脱ぎ荷物を持ってキッチンに向かう

  • 蒼い華が咲く   75 小さな幸せの時間

    抱き締めてくれてる拓ちゃんの胸に甘えるように摺り寄る。この腕がずっと俺を抱きしめてくれてたらいいのに…「…っ…ふぅ…っ…」 涙が溢れてきた。俺この人が好き…さよならなんてできない…できっこないよ…「また泣いてる。余計なことを考えるな。俺はお前の傍にいるから」 そんな声と共にギュッと抱きしめられ頭を撫でられる。 「…っ…拓…拓真ぁ…す、き…」 俺の精一杯の気持ち。 「俺も蒼樹が好きだ。これからもずっと…」 やっぱり拓ちゃんは優しいな… 俺は拓ちゃんの服をギュッと掴んだ。俺を抱きしめる拓ちゃんの腕に力がこもる。 やっぱり俺は拓ちゃんの前では泣き虫のようだ。 拓ちゃんは

  • 蒼い華が咲く   69

    結局、まともに授業なんか受けないまま、また授業の終わりを告げる音が響いた。やっぱり先生はさっさと出ていく。こんなもんだけどね。「蒼樹、飯食いに行ってくるけど大丈夫か?」 翔太が振り返り訊いてくる。俺が戻ってくるって思わなかったんだろうね。 「ん、大丈夫。行ってきていいよ」 小さく笑って答えれば 「さっきは悪かったな。じゃぁ、いってくる」 俺の頭を一撫でして他のやつらと教室を出ていった。さて、俺はどうしますかね…とりあえず立ち上がり財布の中から小銭を出して教室を出た。「うげ!お茶が売り切れ…。まぁいいか、コーヒーにしよ」 自動販売機の前に来てお茶を買おうとしたら売り切れのラ

  • 蒼い華が咲く   67

    side拓真夜の公園で一人でいる蒼華に声をかけたあの日から俺は大きな罪を背負った。それは決して消すことのできぬ罪。タブーを犯した俺が決して逃げることのできぬ罪。それでいいと思った。ずっと見続けてきた蒼華の崩壊の姿を…あの姿をもう見たくなくて俺のこの手で止めることができたのならと思い続けて…俺はあの日、大罪を背負う決心をした。蒼華と接触をすればZEAに俺の情報が行くことはわかっていた。だからあえて隠すことはしなかった。ZEAの頭である苗代には俺の気持ちは既に伝えてあったから…。まだ俺がGoldWolfの頭であったあの時に俺は苗代に頭を下げてまで蒼華の…織田蒼樹のすべてを知りたか

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